不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
「お前、ずっと好きだったってどういう意味だよ。
心の事、前から知ってたのか?」
動揺を隠し、必死に平常を保ちながらそう問いかけたが彼は何も言わなかった。
...なんなんだよ、コイツ。
べつに心が誰と付き合おうが俺には関係ないかもしれないけど、
納得いかない。
こいつには渡したくないと思った。
この感情がなんなのか良くわからないけど、それだけははっきりと言える。
「...俺のせいで、傷つくのは嫌なのに。」
乃木がそう呟き、眠る心の髪に触れる。それを見た時、胸の奥がかき回されているような感覚になった。
ずっと一緒だった幼馴染を取られてしまうような気がした。
これはただの独占欲かもしれないけど、心に触れてほしくない。
「ん...、」
心の声がして、俺は乃木から彼女に視線を向けた。
気が付いたのか、瞳をゆっくり開く。
「心、大丈夫か!?」
「...うん、...ッ、て、理来!?」
心はばっと振り向き、驚いたような表情で俺を見る。そして顔を林檎以上に真っ赤にしながらばっと頭を下げた。
「ごめんなさい!キスしたあげく壁におしつけて太腿なで「それ以上言うな!///」
忘れかけていた事を思い出し、心同様俺の顔も真っ赤に染まる。恥ずかしい。乃木は不思議そうな顔で俺達をみたあと、「目覚めたんならでてけ」と冷たく言い放った。