不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
そのあと、私達は夜中にもかかわらず村上君の部屋に押し掛けた。眠そうな顔で出迎えてくれた村上君に感謝しながらあがりこむ。
「お前らこんな時間にどうしたんだよ。」
「俺らのアパート、幽霊出るんだよ。」
「あー...って、ぇえええぇえ!?マジで!?」
「おう。」
理来は村上君のベッドに腰かけながら頷く。「ここちゃん、本当!?」と村上君は私に確認してきた。それに苦笑しながら頷けば「うわーやべーな!でも美人な幽霊だったらうぇるかむだぜ俺!」と意味不明な事を言いだした。
そんな村上君に「馬鹿かよお前。」と呆れたような視線を向けた理来。私も同意見である。
「乃木にも協力してもらって幽霊追い出そうとしたんだけど、無理だった。」
「普通に考えて無理だろ!?逆に霊を怒らせたらどうすんだよ!ってゆーか乃木にも協力してもらったってどういうことだよ!?」
つっこむことありすぎだろ!と村上君は叫んだ。
「ごめん、俺眠いから寝るわー。ベッド借りる。」
「おいそれ俺のベッド!お前顔可愛いからってなんでも許されると思ってんなよ!ここは普通ココちゃんに譲るべきだろ!」
「すー、すー。」
既に寝息をたてはじめた理来を見て、もう無駄だと思ったのだろう。村上君ははぁぁ、と大きく溜息をついて苦笑した。
「ココちゃん、悪いけどソファー使ってくれる?」
はい、と毛布を手渡されて「ありがとう」と礼を言った。
「村上君は何所で寝るの?」
「ベッド。」
「え?」
「理来の為に俺が移動するの嫌だし?あ、なんならココちゃんも一緒に「遠慮しときます。ほんとにありがとうおやすみなさい!」
私は早口でそういうとベッドから少し離れた場所にあるソファーに横になる。
ちら、と村上君に視線をうつすと本当に理来の隣で横になっていてなんだかおもしろかった。