不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。

◎自覚と告白







私の目のしたには昨日よりも凄い隈ができていた。二日連続であまり眠れなかったのだ。

しょうがないと言えばしょうがない。


朝、村上君の部屋から三人で登校したはいいがまわりからの視線が痛かった。

クラスのムードメーカーと男女から人気がある幼なじみといれば嫌でも視線は集まるだろう。

あまり目立ちたくなかった私は生徒玄関に入るとひとりで、早足で教室に向かった。



教室に入ると私の姿を見つけた尾花さんが嬉しそうに駆け寄ってきた。

「おはよー心ちゃんっ!」

「お、おはよう…」

こうみえて尾花さんは男だったことを思い出し、表情を引き攣らせた。


「昼にメロンパン買ってきてくれね?」


尾花さんは私の耳元に口を近づけると、そう呟いた。え、私パシリですか。


「メロンパンくらい自分で買ってくればいいでしょ。」

「えー、買ってきてくれないの?」

大きな瞳で私を見上げる尾花さんをみて、思わず言葉をつまらせた。


「尾花、頼みなら俺が聞くぜ!!」
「いや、俺がっ!」


刹那、男子がここぞとばかりに押し寄せてきた。隙をついて尾花さんから離れ、自分の席についた。


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