不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。

あと三分で2時間目が始まる。私達のやり取りをみていた生徒達も教室に入っていく。

「作戦は成功したし、俺達も行こっか。」

尾花さんに言われて戸惑いながら頷く。そんな私をみた理来は怒ったような顔をして教室に戻っていった。
…私、怒られるようなことしたっけ?





___理来サイド


むかつくむかつく。何でかわかんないけどとりあえずむかつく。心のやつ友達ができないとか言ってた癖に上手くやってるみたいだし(それは俺としても安心だけど)、けど、イライラする。

さっきのなんだよアレ。薫(かおる)が居るなんて親から一言も聞いてないし、ていうか何で薫と心が仲いいんだ?付き合ってるわけじゃないよな。

俺そんなの一言も聞いてないし。「好きな人ができたら一番に教えてね、私も言うから。」って中1の時にした約束覚えてないのか?…忘れてても無理ないか。


授業中ずっと心のことで頭がいっぱいだった。小学生の時はクラスが違っても放課後になると毎日のように一緒に遊んでいたし、中学のときは三年間クラスが一緒だったから、こんなに心の事で悩む必要無かったし。(ほぼ毎日一緒だったから。)


心に彼氏ができた、って考えると胸の奥が締め付けられるみたいに痛くて俺病気かも、なんて思った。



「守永、俺病気かも。」

クラスの友達にそう言えば、は?という顔をされた。

「急になんだよ。」

「最近、幼なじみをみてると心臓が痛い。」

「………………それ、アレだよ、アレ。」

「なんだよ。」

「さっきのやり取り見ててわかったんだけどさ、」

「うん。」

「お前、その幼なじみの事好きなんだろ。」

「当たり前だろ。幼なじみなんだし。」

「違う違う。普通に考えて恋のほうだろ。」

「…え?」

友達いわく、俺は幼なじみに恋をしているそうです。…いや、それはありえなくね?
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