不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。




「ねえ理来。」

場所は実家の、俺の部屋。心は俺のベッドで横になりながら雑誌を読んでいる。
「何?」

俺はゲームをしている。何時もの光景だけど、頭が少しぼんやりしていて意識がはっきりしていない。


不思議に思いながらも視線を心に向ければ、彼女は少し頬を赤くして呟いた。

「あつい。」

「エアコンつける?」

「いい。ぬぐ。」

そう言って服を突然脱ぎはじめた。え、ちょ、ま…な、何なんだよこの展開!俺は心を止めようとしたけど体が金縛りにあったかのように動かない。

彼女はあっという間に下着姿になると瞳を潤ませて俺に抱き着いてきた。

心臓がばくばくして壊れそうだった。けど不思議と嫌じゃない。

彼女は顔を近づけてくる。

「ん、ぅ」


乱暴にくっつけられた唇は熱い。

「りく、りく。」

心は俺の名前を熱っぽく呼んだ。俺の体は熱くてもう色々やばい。理性が飛びそうである。

おそるおそる彼女の太股に触れると、びくんと肩を震わせた。


やばい、可愛すぎる。


「りく、もっと。」

さわって、と言われて俺の理性はぶっ飛んだ。この状況で我慢できる男は勇者だと思う。心を押し倒し、キスしようとしたときだった。


ガン、と頭に衝撃が走る。




「…佐倉、大丈夫かよ。」

「…あれ?」

守永の声が聞こえて隣を向けば心配そうな表情をした彼がいた。

「かなりうなされてたぜ?どんな夢見てたんだよ。」

「…」

ああそっか、夢を見てたんだ。

そう自覚したとき、夢の内容を思いだし顔が真っ赤に染まった。きっと今までで一番赤いに違いない。

「何赤くなってんだよ。」

「〜っ!なんでもねえよ!///」

恥ずかしい。夢だとしても最低だろ。変態だ。


自己嫌悪していると守永が隣で笑っていた。


「笑うなよ。」

「お前っ、はははは!…顔赤すぎ!」


なにこいつうぜえ。

元はといえば寝る前に守永が変な事言ったから悪いんだ。

という考えに行き着き、俺はキッと守永を睨んだ。
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