不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
◎鈍感少女と性春少年
___心サイド
理来が戻っていったあとも、頭がぼうっとしていた。
尾花さんがからかってきて、私の髪を弄って遊んでいたせいでボサボサになったけどこのさい気にしない事にする。
結局その日は授業に集中できなかった。
「心ちゃんは部活何入るか決めた?」
放課後。幽霊をどうにかしなきゃいけないことを思い出し、慌てて先生のところに行こうとしたとき、尾花さんに話かけられた。
全く部活のことが頭になかった私は「たぶん帰宅部かなあ。」と答える。
「やっぱり茶道部?奇遇だね俺も茶道部入るつもり。」
「え?私帰宅部って言ったよね?」
「明日から仮入部だし行こう。じゃあまた明日な!」
「え、あの、ちょ、」
ぶんぶんと手をふって、尾花さんは行ってしまった。あとで行かないってメールしとかなきゃ、と思いつつ教室をでると、廊下に村上君と理来が待っていた。
「ここちゃん先生のとこ、いこうぜ!」
「うん。」
どうやら村上君もついてきてくれるらしい。私は頷く。
理来は何故か視線をあわせてくれない。少し不安になりつつ職員室に向かった。
*
「はあ?幽霊がでる?」
職員室についた私達はBクラスの担任の先生に相談していた。しかしまったく相手にしてくれない。
「そんなわけないだろう!思いこみすぎだ。第一、霊なんかいるわけない。」
「本当にでたんです!寮を変えてほしいんですけど…」
「無理だ。何処もあいていないからな。一年は我慢してくれ。」
それから三人で必死になって頼んだものの、忙しいといって全く聞き耳を持ってくれなかった。しょうがない、怖いけど我慢するしかない。