不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
「なら、解決じゃな。」
おばあちゃんが偉そうに言う。
「で、料金の件なんじゃが。」
ちらり。おばあちゃんが理来に視線をうつす。びくりと肩を震わせて彼は数歩後ろへさがった。おばあちゃんは彼にじりじりと近づく。
「ひ、」
がし、と理来の腕を掴んだおばあちゃんは想像できないような強い力で彼を引っ張った。体勢を崩した理来はおばあちゃんにされるがままだ。
ぶっちゅうううう
効果音がつくならば、この表現が一番適切だろう。目の前で老婆と熱いキスをしている理来を見て、私の表情は自然とひきつった。当の本人は顔を真っ青にして
いる。
おばあちゃんはもしかして、生気を吸い取ってるんではないだろうか。
「ほっほっほ。」
暫くして理来を解放したおばあちゃんは笑う。彼女の頬はうっすらと上昇していて、どんな反応をすればいいのかわからなかった。
「俺、ばあちゃん校門前まで送ってくわ。」
「う、うん。」
「ここちゃんは理来を頼んだ。」
「わかった。」
ぐったりとしている理来に肩を貸して、部屋から出る。「ばあちゃん、ほら、帰るぞ!」ぐいぐい村上君にひかれておばあちゃんは行ってしまった。除霊はできなかったけど、まあ、なんとかなったような気がする。たぶん。