不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
いつもの雰囲気に戻ってしまった。ぎゃーぎゃー騒ぎだす俺達。さっきまで可愛げあったのに。「あーもーとにかく戻るぞ!」「わかってる!」せっかく両想いになったのに微妙な距離をあけて歩き出す。
本当ならここで手を繋いだりするんだろうけど。
...てか、俺達付き合ったことになるんだよな?...いや、付き合ってる。うん、きっとそうだ。
*
寮に戻り、俺の部屋に入る。そういえば今日から心と一緒だったんだ。ちらり、と心に視線を向ければ髪をドライヤーで乾かしていた。(鼻歌歌いながら)
俺はどうやら気にしすぎていたらしい。なんだか自分だけが色々考えているのがバカらしくなってベッドにぼふんと横になる。
「あ、尾花さんにメールするの忘れてた。」
「薫に?」
「うん。」
「なんで?」
「明日、茶道部の仮入部に行こうって誘われてるんだけど私行く気ないから断ろうと思って。」
「バスケ部来いよ。」
「私運動苦手だから無理。」
「マネージャーは?」
「遠慮しときます。」
「ふーん。」
ごろん。寝返りをうって、ふと思った。(あれ、やっぱ付き合ってる感がない。)なんだか不安になってモヤモヤしてきた。心は俺の事好きだよな?けど聞くのはなんかプライドが許せないし。
「理来?どうしたの?」
「いや、なんでもない。」
「?そっか。」
その日、俺はベッドで、心はソファーで寝た。(じゃんけんで勝った方がベッドを使うことになり、俺が勝ったから)
...
あれ、やっぱりいつもと変わんねーじゃん。