不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
◎幼馴染とそっくりなイトコ
_心サイド
なんだか昨日から頭がぼやぼやしていた。理来に告白されて私もどきどきして、ああ、私も好きなんだって自覚したから「私も好き」って伝えた。
けど、関係は今までと全く変わらない。私と理来って、付き合ってるの?両想いってわかっただけだから付き合ってることとは違うのかな。
「...。」
...わからない。
「何険しい顔してるの?」
「おはよう尾花さん...って、また女装に戻ったの!?」
「うん。あれは昨日限定。昨日のほうが良かった?」
「え?ど、どっちでもいいと思うけど。」
「あそ。」
「うん。」
「で、何悩んでるの?」
ずい、と顔を近づけて尾花さんは私の額に指先を刺した。爪がささり地味に痛い。
「たいしたことじゃないよ。」
「私に言えないことなの!?」
無駄に声のトーンをあげて訴える尾花さん。「アイツ尾花さんを悲しませるような事してんじゃねーだろうな。」「女子でもゆるせねー。」男子からの鋭い言葉が突き刺さる。
私は思わずため息をついた。
「理来と、いろいろあって。」
「えーどうせ惚気だろー、俺聞きたくなーい。」
「尾花さんのキャラがわからないよ。私っていったり俺っていったり...統一しないの?」
「私のことは良いから。どうせ佐倉君と付き合うことになったとかだろ。」
さらりと私の質問を流して、尾花さんは後ろ向きで私の前の席に座った。
女の子の恰好なのに、足を開いて座るところはなんだか男らしい。
男子が、「パンツ見えるんじゃね?」「尾花って男?女?昨日の男子と同一人物って噂あるよな。」「よし、確かめに行こうぜ。」と言いながら騒いでいるのを横目で見ながら
「それがよくわからないの。」
と素直に告げた。