花物語
手のひらに乗ったミニ盆栽

大きなカエデの木が
手のひらに乗るくらいのミニ盆栽になります
人間の欲は限りがありません
大きなものはもっともっと小さく
小さなものはもっともっと大きくしたいものなのです

DNA操作の技術が進歩し
今ではいろんなところに使われるようになりました
手のひらに乗ったミニ盆栽が
指の上に乗るほどの小さな盆栽になっています
野菜の収穫量を増やしたり実を大きくしたりします

働くのが嫌いな働きアリさんが畑にやってきました
おいしそうに熟れた赤い実が落ちています
むしゃむしゃとアリさんは赤い実を食べ始めました
お腹いっぱい食べたアリさんは眠たくなって横になりました
しばらくたって目を覚ましたアリさんはビックリしました

畑より大きな身体になっているではありませんか
そしてわいわいがやがやと大勢の人間が取り囲んでいます
動けないように身体は針金で縛られています
ガリバーになってるとアリさんは思いました
そしてこんなのいやだと思いました

私はなにもしません助けてください
大きな声でアリさんは言いました
私はひっそり暮らしていたいのです
おかあさ~んと叫んだとき
アリさんは夢から覚めたのでした

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