花物語
スズメウリさん
スズメウリさんがお話してるわ
聞こえるかな
どんなお話してるか
耳を澄ませて
しばらく聞いてみましょうね
「夜になると少し冷えるね」
「そうだねそろそろ十一月だからね」
「これから肌が白くなるんだね」
「うんうん」
「白くなるのはいいけど・・・
もっと大きい実になりたいな」
「ぼくはこのままでいいよ」
「だって小さいから誰も見てくれないよ
みんなに好かれたいじゃないか」
「小さいのが好きだっていう人もいるさ」
「いたとしてもほんの少しさ
やっぱり大きくなくちゃ・・・
カラスウリさんぐらいに大きくなりたいなぁ」
「そりゃカラスウリさんは確かに大きいし
色も橙色になって目立つよね」
「そうなんだよ
みんなカラスウリさんのことは知ってても
ぼくたちのことは知らないよ・・・スズメウリなんか」
「もし君の願いがかなって
カラスウリさんになったとしたら
君はもっと大きくなりたいってきっと言うだろうね」
「そうさもっともっと大きくなりたいよ
チビチビってみんなから言われなくて済むよ」
「そんなこと気にしなければいいんだよ」
「でも悔しいじゃないか
大きくなって見返してやりたいよ」
「大きくなったら今度は
デカデカとかジャイアンとか冷やかされるよ」
「大きくなっても冷やかされるのは同じかな」
「君が大きくなりたいって思ってるように
大きい子はもっと小さくなりたいって思ってるかもしれないよ」
「小さくなりたいって思ってる子がいるかなあ」
「ぼくたちスズメウリはちいさいけど
それにはきっと理由があるのさ
小さくてもいいことがきっとあるさ」
「小さくてもいいことがあればね
チビチビって言われても気にしないようにするよ
目立つように肌をツヤツヤ光らせるよ
もっともっとモテたいからね」
いろんな実や花が
いろんなお話してるから
風が少しある日には
耳を澄ませてごらん
きっとお話が聞こえてくるよ
聞こえるかな
どんなお話してるか
耳を澄ませて
しばらく聞いてみましょうね
「夜になると少し冷えるね」
「そうだねそろそろ十一月だからね」
「これから肌が白くなるんだね」
「うんうん」
「白くなるのはいいけど・・・
もっと大きい実になりたいな」
「ぼくはこのままでいいよ」
「だって小さいから誰も見てくれないよ
みんなに好かれたいじゃないか」
「小さいのが好きだっていう人もいるさ」
「いたとしてもほんの少しさ
やっぱり大きくなくちゃ・・・
カラスウリさんぐらいに大きくなりたいなぁ」
「そりゃカラスウリさんは確かに大きいし
色も橙色になって目立つよね」
「そうなんだよ
みんなカラスウリさんのことは知ってても
ぼくたちのことは知らないよ・・・スズメウリなんか」
「もし君の願いがかなって
カラスウリさんになったとしたら
君はもっと大きくなりたいってきっと言うだろうね」
「そうさもっともっと大きくなりたいよ
チビチビってみんなから言われなくて済むよ」
「そんなこと気にしなければいいんだよ」
「でも悔しいじゃないか
大きくなって見返してやりたいよ」
「大きくなったら今度は
デカデカとかジャイアンとか冷やかされるよ」
「大きくなっても冷やかされるのは同じかな」
「君が大きくなりたいって思ってるように
大きい子はもっと小さくなりたいって思ってるかもしれないよ」
「小さくなりたいって思ってる子がいるかなあ」
「ぼくたちスズメウリはちいさいけど
それにはきっと理由があるのさ
小さくてもいいことがきっとあるさ」
「小さくてもいいことがあればね
チビチビって言われても気にしないようにするよ
目立つように肌をツヤツヤ光らせるよ
もっともっとモテたいからね」
いろんな実や花が
いろんなお話してるから
風が少しある日には
耳を澄ませてごらん
きっとお話が聞こえてくるよ