現の境界線【短編】
必死に昨夜の記憶をたどり現実とのズレの始まりを探す。
……そうだ、風呂に入る前にうたた寝をした。その後からの記憶がなんだかフワッとしている。

変な記憶はそこから朝まで……じゃなく夜中トイレに起きるまでだ。

つまり私はうたた寝している間に夢を見ていたのだろうか。

そしてトイレのついででベッドに入り寝直した。そういう事なのか?

私の中の理性はそうだと言っている

しかしちょっと待て。いくら何でも夢と現実の違いは判るし昨夜の記憶のリアルさは半端ではない。

感情は夢のはずがないと言っている。

確かに私の部屋には泥棒が入り荒らしていった形跡があったハズだと。

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