【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
そして、待ちに待った放課後。
私は健君を、学校近くの公園へと呼び出した。
「・・・来たけど」
健君は私が思ったより、案外早く来てくれた。
そんな些細なことだけど、今の私には十分嬉しかった。
「ありがとう。・・・チョコ、作ったから。今すぐ食べて?」
健君は、私からチョコを受け取ると封を開け、確認するかのように聞いてきた。
「分かった。・・・なぁ、このチョコを食べれば本当に別れてくれるんだな?」
「もちろんだよ!・・・だから、早く食べて?」
私は、食べてくれるかどうかドキドキしながら健君を見守っていた。
「そんなに急かすなよ。今、食べるから・・・」
そして健君は、ゆっくりと、実にゆっくりとチョコを口に含んだ。
その直後、
「・・・!うっ!!」
健君は、呻き声をあげ、苦しそうに喉元を押さえた。
私はその様子を、何もせずに。助けようともせずに、ニヤリと笑いながら見ていた。
「お・・前・・!何し・・・た・・・」
健君は、残り少ない命で私に向かってそういうと、その場に倒れた。
私は、倒れた健君の傍に座り、死んでいることを確認した後、健君の手から零れたチョコを食べた。
フフフ・・・。これで、私と健君はずっと。ずぅっと一緒だよ・・・?