【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
覚えていますか?覚えていませんか?・・・覚えていません
「以上にて、"記憶少女"の訳は終わりです。どうですか?結香様。これで、私のことを・・・思い出していただけたでしょうか?」
"記憶少女"の訳が終わった後、臨音さんはいつの間にか私の目の前に現れていた。
「結香様?顔が青ざめていらっしゃいますよ。大丈夫でしょうか?」
・・・大丈夫なわけが無い。
こんな事実の知らされて、大丈夫な人間は何処にもいないと思う。
思い出した。
もう何年も前のことだったから、忘れてしまったいたけれど。
私は、小学生の頃いじめられていたんだ。
そして、私の唯一の友達だったリンネを捨てちゃったんだ。
臨音さんの名前を聞いたとき、何か違和感を感じたんだ。
私は、この人を知っている?
あの時の違和感が、今。確信に変わった。
間違いない。この人は、リンネだ。
「・・・あなたは、本当にリンネなの?」
私が尋ねると、臨音さん----もといリンネは、笑った。
「そうですよ。結香ちゃん?」