【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「・・・え?」
私は、意味が分からないとでもいうかのように声を漏らした。
「あれ?意味が分からない。とでも言いたい顔をしているね」
リンネは笑った。
その目はとても優しい目をしていたけれど、私には悪魔の笑みにしか見えなかった。
「一体、どういうこと?私が、この館の最後の少女って?」
「フフ。その言葉通りだよ。・・・言ったでしょ?私が結香ちゃんともう一度会うには、10体の少女を集めなきゃいけないって・・・」
リンネの言っている言葉の意味が、やっぱり分からなくて私は震える声で尋ねた。
「で、でも・・・。あったじゃない。最後に私に見せた、"迷子少女"が・・・」
そう、確かに私は見たのだ。
私そっくりの、"迷子少女"を・・・----
「クス。確かにいたよ?・・・でも、結香ちゃんはちゃんと少女を見たのかな?」
私は、リンネの言葉に何も言えなかった。
確かに、私は何も見ずに赤いボタンを押した。
見たのは、此処に来る前に私そっくりの少女が泣き叫んでいた姿だけ・・・。