【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「ここから先は、結香様お一人になります」
「は!?」
臨音さんの発言に思わず私は変な声を出してしまった。
だって、私一人って・・・
私、ここのことまだ何も知らないのに・・・!!
「この先には、訳を抱えた少女達が入っている部屋が御座います。
少女達はお客様に手を出さないよう、ガラスケースに入れてあります。
そのガラスケース「ちょっと待って!!」
私は説明し続ける臨音さんの言葉を遮って尋ねた。
「手を出さないように、ってことはここにいる子達は危険なの?」
「危険な少女も御座います」
は?なんでそんな危険な子がここにいるわけ?
まぁ、訳アリの少女を売る館なのだから、そんなことだろうとは思ってはいたけれど・・・
「でも、大丈夫ですよ?
ガラスケースに入っているのは、レプリカなので。」
レプリカ?・・・なら、安心ね。・・・たぶん。
「説明を続けます。
そのガラスケースの下には、訳アリ少女の名前のみ書かれています。
訳アリ少女の名前を見て、気に入ったものがあればそばにある赤いボタンを押してください。
少女の訳を説明するようになっています」
「それで、気に入れば購入、と言うわけね」
「その通りです」
不思議・・・
さっきまで怖がっていた自分が嘘のよう・・・
こんなことを聞いても、全然怖く感じなくなった。
もう慣れたのか?この環境に。
「説明の最後に、購入しますか?と尋ねるので、そこではい、といえば購入完了です。
お会計は、部屋を抜けた先でさせて頂きます」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!私、お金なんて持ってないわよ!?」
「あぁ、そのことでしたらご安心を。
いただくのは、お金じゃありませんので・・・」
臨音さんがまたにっこりと微笑むのであまり気にしなかったけど・・・
この言葉に、妙な恐怖感と違和感を感じた。