【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~


「ここから先は、結香様お一人になります」


「は!?」


臨音さんの発言に思わず私は変な声を出してしまった。


だって、私一人って・・・

私、ここのことまだ何も知らないのに・・・!!


「この先には、訳を抱えた少女達が入っている部屋が御座います。
少女達はお客様に手を出さないよう、ガラスケースに入れてあります。
そのガラスケース「ちょっと待って!!」


私は説明し続ける臨音さんの言葉を遮って尋ねた。


「手を出さないように、ってことはここにいる子達は危険なの?」


「危険な少女も御座います」


は?なんでそんな危険な子がここにいるわけ?

まぁ、訳アリの少女を売る館なのだから、そんなことだろうとは思ってはいたけれど・・・


「でも、大丈夫ですよ?
ガラスケースに入っているのは、レプリカなので。」


レプリカ?・・・なら、安心ね。・・・たぶん。


「説明を続けます。
そのガラスケースの下には、訳アリ少女の名前のみ書かれています。
訳アリ少女の名前を見て、気に入ったものがあればそばにある赤いボタンを押してください。
少女の訳を説明するようになっています」


「それで、気に入れば購入、と言うわけね」


「その通りです」


不思議・・・

さっきまで怖がっていた自分が嘘のよう・・・

こんなことを聞いても、全然怖く感じなくなった。


もう慣れたのか?この環境に。


「説明の最後に、購入しますか?と尋ねるので、そこではい、といえば購入完了です。
お会計は、部屋を抜けた先でさせて頂きます」


「ちょ、ちょっと待ってよ!!私、お金なんて持ってないわよ!?」


「あぁ、そのことでしたらご安心を。
いただくのは、お金じゃありませんので・・・」


臨音さんがまたにっこりと微笑むのであまり気にしなかったけど・・・

この言葉に、妙な恐怖感と違和感を感じた。


< 18 / 221 >

この作品をシェア

pagetop