【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「だって。よく考えてみなよ。此処の少女達を買ったってことは、売り物が減るってことでしょ?だから、お客さん自身を売り物にしちゃおう!って訳!!」
リンネは、キャハハ!と楽しそうに笑った。
何なのよ・・・それは・・・。
「ねぇ、私って頭いいと思わない?そうすれば、10体そろったままで結香ちゃんにもう一度会えるの!・・・今回は、たまたま買ったお客さんが結香ちゃんだったて・・・」
「ふざけるな!!!」
私は、リンネの言葉にブチ切れて怒鳴った。
「・・・何が?」
「とぼけないでよ!!何それ!?私に会いたいってだけで、そんなことするの!?」
するとリンネは、私の怒声に一瞬驚いた。
でも、直ぐに表情を戻した。
・・・というか、私を冷ややかな目で見た。
「結香ちゃんは、『そんなこと』っていうけどね・・・。結香ちゃんが悪いんだよ?・・・私を捨てた、結香ちゃんが・・・」
「・・・っ!!」
私はリンネのその言葉に何も言えなかった。
確かに、その通りだったから。
確かに、私がリンネを捨てたりしたから悪い。
・・・だけど、私はいじめられるのが怖かった。
だから、リンネを捨てた・・・。
これは、しょうがなかったのよ!!
「でもね、私分かってた。これはしょうがなかったって・・・」
「なら、どうして・・・!?」
「それでも私は、もう一度結香ちゃんに会いたかった・・・。ただ、それだけなの・・・」
リンネはそういうと、寂しげに伏せていた目を開けもう一度ニッコリと微笑んだ。