【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
----ガタン!ガタン!
私が立ち去ろうとした、その刹那、いきなり“自転車少女”の入っているガラスケースが揺れだした。
私は吃驚して、そのガラスケースを見た。
「!!!」
私が驚くのも無理は無いと思う。
だって、恐ろしく病んだ顔をしながら、自分の乗っている自転車を漕いで、まるで今にもガラスケースを壊そうとしているのだから・・・
私は、怖くなり後ずさりしようとした、その時だった。
自転車少女が此方側を見て、こう言ったのだ。
「ねぇ・・・私の自転車、知らない?」
「し、知らない!!」
自転車少女の問いかけに私は、涙目で答えた。
「そうなの・・・。じゃあ、お姉さんが私の自転車になってよ・・・!!」
そう答えたかと思うと、更に強く漕いで、自転車をガラスケースにぶつけた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!
この少女達は、レプリカじゃないの!?」
私は、ふと思って叫んだ。
すると、どこからともなく声が聞こえた。
「レプリカですとも。本物そっくりの・・・」
間違いない。この声は臨音さんだ!!
私は、何処にいるか分からない臨音さんに向かって問いかけた。
「本物そっくりって、どういうことよ!!!」
「決まってるじゃありませんか。
この少女はこんなとき、どんな行動をするのだろうか?
そういうのを考えてレプリカを作っているのです」
「な!!何よそれ!!!」
「だから、言ったじゃありませんか。
“危害を加える少女も御座いますので、お気をつけて”と」
「そんなの知らないわよ!!」
私は、なるべく自転車少女から離れて叫んだ。