【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
体験しますか?しませんか?・・・しません
「以上で、“機械少女”の説明は終わりです。」
説明が終わった後、臨音さんは単調に告げた。
「ようするにこの子は、ロボットにされちゃったのね?」
私は尋ねた。
冷静に、あくまでも冷静に。
「そうです。話が通じやすい御方で助かります。いちいち解説しなくてすみますものね」
「それはどうも」
・・・私は、どちらかというと慣れるのが早いと思う。
今は少し慣れてしまった。この環境に。
さっきの子みたいに、私を襲わないと確信したのだろうか?
分からない。分からないけども、今はさっさと全部見て、早く家に帰りたいという気持ちでいっぱいだった。
「結香様は、自分の大好きだった物のせいで、友達がいなくなったら悲しいですか?」
いきなり臨音さんは私に問いかけてきた。
私は意味分からない、と言う顔をしながらも答えた。
「そりゃ・・・、悲しいでしょ」
「ですよね。では、その自分の大好きだった物をこの少女みたいに恨みますか?」
「・・・分かんないよ」
「そうですか・・・。最後にいいですか?
もしも結香様のご両親がお亡くなりになったら・・・、結香様は悲しくて泣きますか?」
「ちょっと!変な質問しないでよ!!悲しむに決まってるじゃない!!泣くに決まってるでしょう?!」
「それはよかった・・・。結香様は普通のお心を持った御方ですね」
「当たり前でしょう!!」
私は最後の臨音さんの言葉に切れそうになりながらも答えた。