【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
----コン、コン
「旦那様~?料理が出来たので持って来ました!」
私がドアを叩きながらそういうと、中からだるそうな声が聞こえた。
「入っていいぞ」
「では、失礼します」
私は旦那様の部屋に入るなり告げた。
「今日は、いつもとは違う特別なお肉なんですよ~」
しかも、満面の笑みで。
「お!新しい肉か!それは楽しみだな~
・・・しかし、朝から肉か?」
フフフ、予想通りの質問!
私は待ってましたと言わんばかりに答えた。
「そのために、他の野菜と炒めて、炒め物にしました!」
私が笑顔で答えると、旦那様は苦笑いをしながら答えた。
「ハハ、そうか。でも、わざわざ朝にしなくても昼か夜でも良かったんじゃないか?」
「・・・ダメですよ。旦那様。せっかく珍しいお肉が手に入ったんですから。一番に旦那様に食べてもらいたかったから頑張って作ったんですよ?」
私はいつもより少し声を低くして、薄く笑いながら言った。
すると旦那様は、私の声色が変わったことに吃驚したのか少し声を震わせて答えた。
「そ、それはありがとう。では、早速食べてみるよ・・・。ハハ」
「そうですよ。早く、冷めないうちに食べてください。さぁ、早く」
私は中々食べようとしない旦那様を急かした。
早く、早く食べてよ!じゃなきゃバレちゃう!!!
私が焦っていたときだった。