【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
雇いますか?雇いませんか?・・・もう少し時間をください
「・・・・・・」
私は説明が終わった後、その場で口を開けて突っ立っていた。
「以上にて、“使用人少女”の説明は終わりです。如何でしたか?この少女は?」
「えぇ、結構いいんじゃないかしら?」
私は、臨音さんの問いにボソッと答えた。
すると臨音さんは声を輝かせたように言った。
「そうでしょう?実はこの少女、結構人気でして!説明させていただく前から、買いたい!、との声が殺到しまして!!」
臨音さんがあまりにも熱く語るので私は少し怯んでしまった。
「へ、へぇ・・・そうなんだ・・・」
「ハイ!!・・・でも、皆説明を聞き終わった後、真っ青になってさっきのは取り消し!、なんて言ってしまうんですよ・・・」
「ふ~ん。結構便利そうなのに・・・」
私の呟きに臨音さんはす素早く反応した。
「そうでしょう?この少女、とっても便利なんですよ?掃除も料理もなんでもできますし!!
・・・どうでしょう?この、“使用人少女”!買いますか?買いませんか?」
私は少し考えた。
・・・確かに、前働いていたっていうところをクビにされたっていう訳だけだし・・・
それに、臨音さんもお勧めですよ!、って太鼓判を押してくれてるし・・・
買ったとしても、取るのはお金じゃないし・・・
買っちゃおうかな?
「あの・・・臨音さん?」
私は恐る恐る尋ねた。
「何でしょう?」
「本当に、お金を取らないのよね?」
「ハイ!もちろんです!!」
この言葉を聞いて安心した。
「じゃあ・・・買います!!」