【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「ねぇねぇ香、聞いてよ!由愛ったらね、好きな人が出来たんだって!!」
と、私と同じように由愛達のグループに入れてもらってる楓が楽しげに言ってきた。
もちろん私も、中学生だから人の恋愛には興味がある。
だから私は、楓と同じように冷やかす様に由愛に尋ねた。
「マジで!?由愛!誰が好きなの?同じクラス?」
すると由愛は、顔を真っ赤にして予想通りの反応をしてくれた。
「な!香まで!やめてよ、も~!そういうこというの!!」
照れて中々言おうとしない由愛を私達は急かした。
「いいから、とっとと言う!」
私達が急かすと、しょうがないな~、と言いたげな顔をして渋々と答えた。
「・・・二組の尾畑君」
「ウソ!?尾畑君と言えば、イケメンって結構有名じゃない!!」
私が驚くと、由愛は更に顔を真っ赤に染めて言った。
「そ、そうだよ?でも、しょうがないじゃん!好きになっちゃったんだもん・・・」
由愛がそう言った後、私達は顔を見合わせ、
「大丈夫だよ、由愛!由愛はめっちゃかわいいもん!お似合いだって!頑張って!うちらも応援するから!!」
「・・・ホント?」
「ホント!ホント!」
「・・・ありがと!私、頑張ってみる!!」
と言いながら、由愛はガッツポーズをした。