【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~



「ねぇねぇ香、聞いてよ!由愛ったらね、好きな人が出来たんだって!!」


と、私と同じように由愛達のグループに入れてもらってる楓が楽しげに言ってきた。


もちろん私も、中学生だから人の恋愛には興味がある。

だから私は、楓と同じように冷やかす様に由愛に尋ねた。


「マジで!?由愛!誰が好きなの?同じクラス?」


すると由愛は、顔を真っ赤にして予想通りの反応をしてくれた。


「な!香まで!やめてよ、も~!そういうこというの!!」


照れて中々言おうとしない由愛を私達は急かした。


「いいから、とっとと言う!」


私達が急かすと、しょうがないな~、と言いたげな顔をして渋々と答えた。


「・・・二組の尾畑君」


「ウソ!?尾畑君と言えば、イケメンって結構有名じゃない!!」


私が驚くと、由愛は更に顔を真っ赤に染めて言った。


「そ、そうだよ?でも、しょうがないじゃん!好きになっちゃったんだもん・・・」


由愛がそう言った後、私達は顔を見合わせ、


「大丈夫だよ、由愛!由愛はめっちゃかわいいもん!お似合いだって!頑張って!うちらも応援するから!!」


「・・・ホント?」


「ホント!ホント!」


「・・・ありがと!私、頑張ってみる!!」


と言いながら、由愛はガッツポーズをした。


< 66 / 221 >

この作品をシェア

pagetop