【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~



----キーンコーンカーンコーン



憂鬱な、お昼の時間を知らせるチャイムが鳴ってしまった。


由愛達から離れて、屋上に行かなきゃいけないかと思うとホント憂鬱な気分になる。


「香!お昼一緒に食べよ!」


今日も、由愛は誘ってきてくれてる。

いつもならうん!、と言えるはずなのに今日は言えない。


「ゴメン。今日は一緒に食べれない!」


私は何度も心の中で由愛に謝りながら誘いを断った。


「え~?何で?」


私が断ると、由愛は可愛く首を傾げて尋ねてくる。


「今日は、どうしても一緒に食べれないの!でも、明日からはまた一緒に食べれるよ!!」


「ホント?う~ん・・・なら、許す!行ってらっしゃい!!」


由愛は笑顔で私に手を振ってくれた。




私は、この時はまだ気づいていなかった。

もう、由愛達と一緒にお昼を食べることが無いと言う事を。


そして、私が屋上に行くのに誰かが付いてきていたなんて・・・。



気づかなかったんだ。





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