【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「止めて・・・。言わないで。私は自分が嫌いなの!!なのに・・・他の誰かから好き、なんて言われたくない!!」
私がそう叫ぶと、尾畑君は黙ってしまった。
私はそれをいいことに、話を進めていった。
「・・・私、もう疲れたの。だからね。私、今日ここから飛び降りて死ぬの・・・。お願いだから邪魔なんてしないで・・・」
私がそういうと、今まで黙っていた尾畑君がいきなり喋りだした。
「だから、何で死のうとするんだよ!そんなの俺がさせない!!」
そういった尾畑君がいきなり私に抱きついてきて、飛び降りないようにさせた。
でも、私はそんなのお構いなしに飛び降りようとした。
「止めろ!香!!」
「嫌!絶対止めない!私は死ぬの!!」
「何で?・・・!!う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
尾畑君の悲鳴が聞こえた方----下を向いた。
「え?ちょ!尾畑君!!」
下には・・・屋上から落ちていく尾畑君が見えた。
私は体が動かなくなり、落ちていく尾畑君をずっと見ていた。
すると、地面に打ち付けられ、大量に血を出していると思われる尾畑君が居た。
私は、柵を越えて元の場所に戻りその場に座りこんだ。
「・・・こんな・・・。こんなはずじゃなかった!!本当は、私が死ぬはずだったのに!!どうして、関係ない尾畑君が?」
私は、その言葉と共に大粒の涙を零した。
「嫌だ。どうして?どうして尾畑君が?どうしてぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」
私はそう叫び、カバンから大量の睡眠薬を出し、お茶と一緒に飲み干した。
「どうして?死ねない?」
飲んだ後、死ねないと分かった私は次にカッターを出し、手首を何度も何度も切りつけた。
深く、深く・・・。
でも、死ねなかった。
「どうしてよ!?こんなに深く切ったのに!!」
その次に私は、ロープを出し首に巻きつけて思いっきり締め付けた。
でも・・・。
死ぬどころか、苦しくも無い。
「どうして、死ねないの!?私は、死にたいの!!!死にたいのに!!!!うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
私はそう叫び、その場に泣き崩れた。