【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「・・・たい。・・・にたい!・・・死にたい!!」
その声はとても狂っているように私は聞こえた。
きっとこの声は、死にたくても死ねない、死にたがり少女の必死な声だと思う。
こんな声を聞いてしまった私は、"助けたい"という衝動に駆られた。
「・・・ねぇ、この子を助けることは出来ないの?」
私はやっぱり見捨てることは出来なくて、臨音さんに聞いた。
「何度も言いますが・・・この少女を助けることは不可能です」
私の中の臨音さんのイメージでは、優しいイメージが強かった。
だから、私の問いにきっと「分かりました」といってくれると思っていた。
・・・でも、臨音さんはそう言わなかった。
「どうして!?どうして助けられないの!?」
「・・・結香様は、ご自分の仰っている言葉の意味をよく考えていますか?この少女は死にたがっているのですよ?」
え?私はこの臨音さんの言葉を考えた。
そうだ。この子は死にたがっている。
そんな少女を助ける方法はただ一つ----・・・
「この少女を助ける方法はただ一つです。この少女を助ける方法、それは・・・少女を殺すことです」
私はこの臨音さんの言葉で動きが止まった。
「この少女を助けたいと仰るのなら、殺してください。如何です?心のお優しい結香様には出来ないでしょう?」
・・・確かに、私には出来ない。この子を殺すだなんて・・・。
ずっと俯いたまま話さない私の答えを聞かず、そのまま話し続けた。
「だから言ったんです。この少女の訳をご覧になる前に・・・。この少女は、最も危険です。と・・・」
「一体何処が危険なのよ・・・?」
私はやっとの思いで答えたのに、臨音さんはその問いに答えず、ただこういった。
「時期に分かりますよ。・・・そろそろですね?ガラスケースを見てください」
私は言われるがままガラスケースを見た。