promise&ring
───‥
懐かしい気持ちの中で、安らかな眠りから目を覚ます。
いつの間にか休憩室の机に突っ伏していたらしい。
「ん………?」
意識が戻ってくると、自分の左手に何かが触れているのがわかった。
「シュン……」
視線を手に向けると、シュンがあたしの手を握ってる。
いや、握ってるという表現は少し違うかもしれない。
「なっ…いつ起きて───」
絡んだ視線に驚いたように、シュンが目を丸くする。
左手に違和感を感じて見てみれば、薬指にキラリと光るものが。
「え、なにこれ」
………指輪?
自分の左手を見つめていると、すっと目の前にかざされたもう一つの左手。
あたしがより目になるくらいの距離に、シュンの綺麗な指。
そして、薬指に指輪──‥
「せっかく驚かそうと思ったのに、途中で起きるなよ」
納得いかないという表情で、笑いかけられる。
「…お揃い?」