promise&ring
すすり泣きながら、あたしが話し終えると
「…そっか」
柔らかい声音で呟いたシュンに、そっと抱きしめられる。
「…俺、別に重いとか思わねぇから。
不満あったら、ちゃんと言っていいから。
つーか、言え!」
「うん………っ」
それからぬくもりが離れると、シュンが涙を拭ってくれた。
笑ってくれる彼につられて、あたしも自然と緩む口元。
ふと、シュンの薬指の指輪を見て思い出す。
「あ、あのね……あたし、プレゼント用意してなくて」
散々会いたがってたくせに、どうしようもない彼女でごめんね。
「あぁ、別にいいって。
もう、おまえからもらうもん決めてあるし」
「え?」
あたしの髪をぐしゃぐしゃにして、満面の笑みを浮かべると一言。
「おまえの人生、俺にちょーだい」
重なったお互いの左手。
「結婚して」
キラキラ輝く指輪が、眩しくて。
「………うん」
目を細めて、二人で笑い合った。
──今までで一番幸せなクリスマスと約束を、ありがとう。
END*