大好きだよ、先生




「…触らないでっ」

「…どうした?」

「…中途半端な気持ちで優しくしないで…」


擦れた声で

わたしは訴えた。

先生は

黙って手を離した。


…中途半端すぎるよ。

…先生も、わたしも。


「…教室戻るか」

「…はい」


わたしと先生は

気まずい感じで

教室に戻った。


高校2年生になるまで

約あと少し。

でもその少し、が

とても長いような気がした。




< 126 / 176 >

この作品をシェア

pagetop