大好きだよ、先生




「……辛かったな」

「高校出たらあんな家、出るんだ」

「がんばれ。俺も協力してやるから」

「……ありがとう、先生」


大好きだよ──

思わず口から

出てしまいそうだったけど

抑えた。

……わたしは、

今のままで別にいいんだ。

「よし、着いた」


先生は

エンジンを止めた。

ファミリーレストランだ。


「見つかったらヤバイから、これ着てて」


先生は

自分の着ていた上着を

肩にかけてくれた。




< 34 / 176 >

この作品をシェア

pagetop