大好きだよ、先生
わたしは
カバンを持って
部屋を出た。
1階から
お母さんの啜り泣く声が
聞こえる。
…なんで??
なんでお母さんが泣くの??
意味がわからない。
わたしは
1階へと下りた。
お父さんの目線が
わたしに移る。
酷く苦しそうで
わたしは
胸が痛くなった。
「……桜」
「……まだ何かあるの!?」
「……お願いだから、これだけは持って行け」
わたしの手に
封筒を握らせる。
「…わかった。
………さよなら」
わたしは
玄関の扉を開けて
家を出た。