恋する24時

「遙花ちゃ~ん!! 今日今から空いてる?」



「どうしたんですか? 由木さん」





 定時少し前

 専属補佐をしている由木先輩が

 慌てわたしのデスクまでやって来た。



 残業確定かな?

 と、ドキドキしたけど……





「一生のお願い!! 一緒に行って欲しい所があるんだ」



「……」





 この人、何回わたしに一生のお願い

 するんだろう?





「お仕事じゃなければ、今日は帰りますね?」



「うわぁぁ、遙花ちゃ~ん!?」



「……何ですか?」



「い、一応お仕事の話ナンだけと、食事しながらでイイかな?」





 もっとスマートに誘ってくれたら

 全然普通に行くんだけど、な。



 下ゴコロと言うか

 好意がまる見えだし……。





「……」





 そう言うの大人っぽく隠してくれれば

 お仕事もやりやすいのに。



 モテる人だから

 他の女の子達にイロイロ聴かれて

 あたりさわりなく答えるのも

 苦労するんだから……。





「いいですよ? 由木さんのオゴりなら」



「もちろん!! じゃあ、終わったらロビーで待ってるから」





 由木先輩は

 飛び上がらんばかりに

 片手でガッツポーズして

 フロアから出て行った。





「……」





 目立ちすぎだってば……。



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