恋する24時

 由木先輩が連れて行ってくれたお店は

 ガチでデートスポットみたいな

 雰囲気のある創作料理屋さんだった。





「すっごい素敵なお店ですね?」



「あぁ、一回接待で使ったことがあって、料理が美味しかったからここがいいかなぁって」





 接待って…

 メチャクチャ高いのではないかしら?



 心配をよそに

 由木先輩は、ごきげんな感じで

 営業鞄から

 資料のファイルを取り出していた。





「……」





 一応、仕事なんだ?





「由木さん、企画の資料とかですか?」



「そう、旭が毎年やってる企画『BROSSO』の資料」





『BROSSO』

 伊織先輩の企画って…





「……確か昨年、1回補佐で色々やりましたけど?」





 伊織先輩1人の企画だったような?





「そう、実はその『BROSSO』が今年創立20周年らしく、今までより大掛かりな企画をやりたいって依頼があって、今回3人体制で3日間やることになったんだ」





 3人体制で3日間!?





「旭出張続きで準備に使える時間が限られてるから、取りあえず補佐の遙花ちゃんと同期のオレでバックアップして行こうと言うお話です」



「……」





 本当にお仕事の話だ

 しかもかなり大きめ。



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