恋する24時
「本当は、旭からちゃんと遙花ちゃんにちゃんと話したかったみたいなんだけど、時間がないからって、オレがこの話を切り出したワケです」
「……」
「遙花ちゃん、大丈夫?」
わたしは
顔を覗き込んで来る由木先輩に
大きく頷いてみせた。
「3人って、3日間わたしも現場に入るんですよね?」
「そうだよ?」
「……」
うわぁ
こんな大きなお仕事
初めてだから緊張してきた。
営業補佐のお仕事は
何年か経ったら
補佐として会議にも出るし
現場にお手伝いに入ることもあると
聞いたことがあったけれど
まだ、2年目のわたしに
来てしまうなんて!!
「う、上手く、わたしに出来るでしょうか?」
「えっ!?」
「……」
不安になってきた。
「大丈夫、オレも旭もフォローするし、あそこは温泉地でホテルは最高ランクで料理も上手いんだよ?」
「……」
「きっといい勉強になるよ?」
いつもの由木先輩じゃないみたいに
頼もしい笑顔で言ってくれたから
わたしは
少しホッとして息をついた。