樹海の瞳【短編ホラー】
第四章 不可侵
いつ晴れるか分からない、濃い霧を前に、木暮と西郷の二人は諦め、いつしかカードを始めた。
カードは西郷が持っていたようだ。
黛には、ポーカーゲームをしているのだと、すぐに分かった。
「私は二階にいます。何かありましたら、声を掛けて下さい」
「ああ、わかった」
「もしかしたら、ちょっと篭るかもしれませんが、すみませんね」
「ああ、分かってるよ」
「お仕事なんでしょう。頑張って下さいね」
木暮が顔を向けずに応対する西郷に変わって、にこやかに答えた。
二人は時間を忘れて、ポーカーゲームに磯染んだ。
いつの間にか、寝食をも忘れて夕方になっていた。
「ああ、負けた負けた」
「すみません。ツキがあったようで」
「いや、楽しかったよ」
「私も楽しかったです」
二人は暫く余韻に浸っていた。
西郷が大きく溜め息を着いたあと、ふと、二階に目をやった。
「作家センセイは執筆中だな」
「調子がよいのでしょうね」
「物音ひとつしないな」
「書くのにそんな音はしませんよ」
「でも、昼メシ食べてないぞ」
「そうですね」
「様子を見に行こう」
「邪魔したらマズイですよ」
「差入だよ」
西郷はそういって、木暮に珈琲を入れさせた。
カードは西郷が持っていたようだ。
黛には、ポーカーゲームをしているのだと、すぐに分かった。
「私は二階にいます。何かありましたら、声を掛けて下さい」
「ああ、わかった」
「もしかしたら、ちょっと篭るかもしれませんが、すみませんね」
「ああ、分かってるよ」
「お仕事なんでしょう。頑張って下さいね」
木暮が顔を向けずに応対する西郷に変わって、にこやかに答えた。
二人は時間を忘れて、ポーカーゲームに磯染んだ。
いつの間にか、寝食をも忘れて夕方になっていた。
「ああ、負けた負けた」
「すみません。ツキがあったようで」
「いや、楽しかったよ」
「私も楽しかったです」
二人は暫く余韻に浸っていた。
西郷が大きく溜め息を着いたあと、ふと、二階に目をやった。
「作家センセイは執筆中だな」
「調子がよいのでしょうね」
「物音ひとつしないな」
「書くのにそんな音はしませんよ」
「でも、昼メシ食べてないぞ」
「そうですね」
「様子を見に行こう」
「邪魔したらマズイですよ」
「差入だよ」
西郷はそういって、木暮に珈琲を入れさせた。