それでも彼女は嘘をつく
オーナーの高也だ


相変わらずかっこいい


爽やかな声でみんなを迎える


えっ?爽やか?


あれ?

なんか雰囲気変わった

少しチャラさが抜けたみたい


日焼けした肌に

バーテンの制服がよく似合う


どちらにしても

いい男なのは確かだ


「いや~ん、

 高也くん髪の毛切った?

 日焼けして かっこいいね

 あのね、

 高也君が教えてくれた

 アサイーボウルのカフェ

 行ってきたよぉ

 おいしかった!

 教えてくれてありがとぉ」


と、奈津先輩の

いつもよりワントーンも

ツートーンも高い不快な声が

店内に響き渡る


毎年の家族旅行が

ハワイなのはこの会話のため?

とかんぐりたくなるような

まっどうでもいいけど


そんな奈津先輩に向けて

満面の笑みを浮かべたこの男



高也と遊んでいたのは

もう

二年くらい前になるだろうか

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