『会いたい。』
★18歳、クリスマス。〜Prologue・2〜
18歳。高校生活最後のクリスマス・イヴを二週間後に控えた冬の日―――。



この日は私と先輩にとって大切なイベント。



付き合って1年目のクリスマスだから……。



私達はこの日をずっと楽しみにしていた。



一日、一日カレンダーに×印を付けるたびに顔がニヤケてしまうのが分かる。



“もう少しで先輩に会えるんだ”私の気持ちは高ぶるばかり。



だって、有名大学へ行ってる先輩とはなかなか会えない日が続いているから。



電車で行けば30分で行ける所なのに、お互い時間の都合が合わないことが多々あった。



私は受験、先輩は大学の講義にバイト。



仕方がないとわかっているけど、まるで遠距離恋愛のようで寂しい気持ちが膨らむばかりの日々、



それでも先輩は毎日メールを沢山してくれる。



短いメッセージでも、暇を見つけてはメールをしてくれた。

こんなにマメな人じゃないって分かっているから、
どんなメールでも余計に嬉しかった。



もちろん、先輩のメールは全部保存しているよ……










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