* 俺様な先輩 *
先生は「さっさと座れ」と
顎で合図した。
ねぇ、どうして?
どうして新垣くんはあたしを
かばってくれたの?
新垣くんは私に教科書を渡して
席についた。
それを見てあたしも急いで席に着いた。
……新垣くんだけ後で怒られるなんて
そんなの、だめだよ。
あたしが悪いんだもん。
新垣くんは、あたしを待ってくれてただけ
何の、罪もないのに……
「ちょっと、どうゆう事?」
後ろから華音の声がした。
華音はあたしがトイレ行ってたって
知ってるから、不思議に思うのも
無理はない。