春、恋。夢桜。
潤の後ろから、ゆっくりと階段を進む。
不思議なことに、壁には1つも窓がない。
そのせいもあってか、校舎の1番端にあるこの階段は
朝にも関わらず薄暗かった。
前の学校では立ち入り禁止だったこともあって
俺は学校の“屋上”に1度も接したことがない。
だから勝手に、屋上に対して『授業をサボる場所』なんてイメージを抱いてた。
そう思うと、この薄暗い雰囲気も納得できるような気がする。
2人の足音だけが響き渡っていた中、その片方がいきなり止まった。
ゆっくりと顔をそっちに向けると、少し錆びた金属の扉が開く音がする。
それと同時に、目に光が飛び込んできた。
いきなりの眩しさに目を細めながら、俺はその光を目指す。
そして、そこに足を踏み入れる。
屋上へは、思ってたよりも簡単に入れた。
一面に冷たく敷き詰められた灰色のコンクリートの上に
何の機能を持ってるのかよくわからない大きなタンクがたくさん並ぶ。
そして当たり前のように、見上げれば青い空が目に入った。
憎いくらいに鮮やかな水色に、嫌なことなんて何も知らなさそうな白が浮かぶ。
しっかりと、背の高いフェンスで囲まれたその空間は
開放感があるようで、なかった。
「響。お前、阿呆だろ」
「は?」
不思議なことに、壁には1つも窓がない。
そのせいもあってか、校舎の1番端にあるこの階段は
朝にも関わらず薄暗かった。
前の学校では立ち入り禁止だったこともあって
俺は学校の“屋上”に1度も接したことがない。
だから勝手に、屋上に対して『授業をサボる場所』なんてイメージを抱いてた。
そう思うと、この薄暗い雰囲気も納得できるような気がする。
2人の足音だけが響き渡っていた中、その片方がいきなり止まった。
ゆっくりと顔をそっちに向けると、少し錆びた金属の扉が開く音がする。
それと同時に、目に光が飛び込んできた。
いきなりの眩しさに目を細めながら、俺はその光を目指す。
そして、そこに足を踏み入れる。
屋上へは、思ってたよりも簡単に入れた。
一面に冷たく敷き詰められた灰色のコンクリートの上に
何の機能を持ってるのかよくわからない大きなタンクがたくさん並ぶ。
そして当たり前のように、見上げれば青い空が目に入った。
憎いくらいに鮮やかな水色に、嫌なことなんて何も知らなさそうな白が浮かぶ。
しっかりと、背の高いフェンスで囲まれたその空間は
開放感があるようで、なかった。
「響。お前、阿呆だろ」
「は?」