春、恋。夢桜。
「血縁者……。血のつながりか。
確かに……、確実だという保障はないが、それならば大丈夫やもしれぬ」
カズハは、こっちを向いて笑った。
「じゃが、どうしていきなりそんなことを聞くんじゃ?」
「あ、あぁ……」
首を傾げるカズハに、俺は順番に説明した。
俺に妹がいること。
梨恋が、妖精を信じてること。
でも、それは人間にとって現実味がないことで
そのせいで梨恋がいやがらせを受けたこと。
だからできるなら……
梨恋にカズハの姿を見せてやりたいこと。
見せることで、梨恋を元気にしたいこと。
「なるほどな……」
全てを聞き終わったカズハは、1度深く頷いた。