先生、キライ!
14
平気なふりしていった言葉が、よれよれしていて自分でも驚いた。かっこわるいと思った。できることなら、エプロンむしり取って、逃げ出したいと思った。
「別にいいよ。この人、俺の自慢だから」
いつでも、どこでもヤスオちゃんは、ヤスオちゃんだと、改めて思った。学校だから、恋人の前だから、公衆の面前だから……それはきっと、ヤスオちゃんには大きな問題ではないのだ。だって、自慢の恋人は、すごい美人でもなんでもないし、ヤスオちゃんよりかなり年上だってすぐに分かった。
だから、きっと、ヤスオちゃんはやっぱり自分を信じてるんだ。
突然、「信じる」っていう私の苦手な言葉が頭を横切った。
「近藤先生って、人気があるんですよ」
ヤスオちゃんの恋人に向かって初対面にもかかわらず、ずけずけと話しかけていた。
「でしょうね」
恋人は花のように笑って、ヤスオちゃんを見つめた。ヤスオちゃんはちょっと照れたようなおどけた表情をして、恋人を見つめ返していた。
「先生って、すっごく子どもっぽいところないですか?」
「そうねえ、だから、普通の価値観の物差しじゃあ、彼は理解できないわね」
「先生のこと、よくわかってるんですね」
私は意味もなく、妙な敗北感を味わっていた。
「そうかなあ、もっと楽しませてくれそうだって、期待してるんだけど?」
恋人は悪戯っぽく、ヤスオちゃんを見上げる。ヤスオちゃんは楽しそうに笑っていた。
「別にいいよ。この人、俺の自慢だから」
いつでも、どこでもヤスオちゃんは、ヤスオちゃんだと、改めて思った。学校だから、恋人の前だから、公衆の面前だから……それはきっと、ヤスオちゃんには大きな問題ではないのだ。だって、自慢の恋人は、すごい美人でもなんでもないし、ヤスオちゃんよりかなり年上だってすぐに分かった。
だから、きっと、ヤスオちゃんはやっぱり自分を信じてるんだ。
突然、「信じる」っていう私の苦手な言葉が頭を横切った。
「近藤先生って、人気があるんですよ」
ヤスオちゃんの恋人に向かって初対面にもかかわらず、ずけずけと話しかけていた。
「でしょうね」
恋人は花のように笑って、ヤスオちゃんを見つめた。ヤスオちゃんはちょっと照れたようなおどけた表情をして、恋人を見つめ返していた。
「先生って、すっごく子どもっぽいところないですか?」
「そうねえ、だから、普通の価値観の物差しじゃあ、彼は理解できないわね」
「先生のこと、よくわかってるんですね」
私は意味もなく、妙な敗北感を味わっていた。
「そうかなあ、もっと楽しませてくれそうだって、期待してるんだけど?」
恋人は悪戯っぽく、ヤスオちゃんを見上げる。ヤスオちゃんは楽しそうに笑っていた。