同居、始めました!
ベンチに座りながらも、手を緩めてくれることはなくて。それが何よりも嬉しい。
きっと少しずつ本宮君と付き合っているっていう実感がわいてくるんだろうな
..今はまだ夢の中にいるみたい
「まもなく...」
アナウンスが聞こえてきて、わたしと本宮君が立ち上がる。
電車が来て、わたしが乗ると同時にさっきまで繋いでいた手が離れた。
「今日はありがとう」
「また明日な」
「うん」
ドアが閉まって、電車が動き出す。
本宮君は手を挙げてくれて、わたしもそれに答えた。
やっぱり送ってもらえばよかったかな
そんな事を想いながら空いている席に座った。
と、同時に今日あったいろんなことが一気に思い出されて
胸がきゅーっとなる。
本宮君と恋人になれたって智恵美に報告しなくちゃ
携帯を取り出してメールを打つ。
航ちゃんにも、教えておこうかな。