同居、始めました!
家に帰ると、航ちゃんが正座をして座っていた。
「た、ただいま」
「おかえり」
さっきは気にしないってメールを送ったくせに。本人を目の前にするとすごく緊張してしまう。
でも嘘じゃないよ、さっき送った言葉。
わたしが言葉を口にする前に、航ちゃんがいきなり床に手をついた。
「悪かった!!」
お隣さんにも聞こえるんじゃないかっていうくらい、大きな声。
耳にキーンとくるくらい。
「航ちゃん、頭をあげて」
「いや!酔っていたとはいえ..俺は最低だったっ!」
航ちゃん、やっぱり酔っていたんだ、だからあんなこと..
ってわたしってばまた何を考えて、あ、そうだ
今日の事、報告しないと!
わたしも航ちゃんと同じように正座をして頭を上げる航ちゃんの目線に合わせる。
「あのね、航ちゃん、わたし本宮君と付き合うことになったよ」
「デート、うまくいったんだな」
航ちゃんが笑顔でわたしに言ってくれる。いつものように、妹に接するように。
「うん。本宮君にちゃんと伝えた」
「そっか」
「だからもういいよ。全部許してあげる」