俺のシンデレラになってくれ!
「あ、これだよ! これ、美砂に」
気を取り直したように、隣に置いてあったビニールの袋に手を伸ばすと、篤はそれをあたしに差し出した。
「何これ?」
可愛い薄いピンクの袋は、篤にもあたしにも似合わない。
しっかりとマチのついた袋には、一ヶ所だけテープが貼ってあって中身が見えないようになっていた。
丁寧なことに、中の物にも薄いピンクのカバーみたいなものがかかってる。
「あー!今開けないで! 何となく恥ずかしいから」
「篤にも“恥ずかしい”なんて感情があるのね」
「あるよ!家帰ってから開けて! 明日はそれで学校来て」
焦ったようにそう言った篤が、そのまま勢いで立ち上がった。
「何か至れり尽くせりだねぇ。篤の行動は重いかもしれないけど、いろいろもらえてラッキーくらいの気持ちで受け取ってあげてよ。
気に入らなかったらゴミ箱行きで構わないし」
「紬、ひどいよ」
「あんたのバカに付き合ってくれてる美砂ちゃんに感謝しなさい!じゃ、あたしはもう少し仕事してから帰るから。先に帰ってて」
「わかった。咲にもよろしく」