俺のシンデレラになってくれ!
◇STEP4
チャンスも1回だと、物足りないでしょ?
1
「へぇ……。変わるもんなのね、人って」
視線を何度か上下に動かしてから、晴香は感心したように頷いた。
「失礼だってわかって言うけど、パーマだけでもだいぶ違うわー。服も背伸びしすぎない感じで、ちょうどいいんじゃない?」
「そう? 何か落ち着かないんだけど」
「それで生足だったら最高なんだけどなぁ……。
せめて、タイツやめてニーハイにしない? 欲を言えばブーツも欲しい」
「……勝手に言ってて」
いくら目を輝かせられても困る。
篤がくれたピンク色の袋の中には、ダメージ加工の入ったジーンズのミニスカートと、ざっくりと首元が広がった白いセーターが入っていた。
スカートのすそに白いレースがあるあたりとか、セーターの首元や袖元に少し余裕のあるあたりとか、可愛らしいデザインの部分もある。
でも基本的にはカジュアルで、あたしがいつもはいてるスニーカーに合わせても違和感のない雰囲気だった。
そうは言っても、普段はかない短いスカートは、タイツを履いてても心もとない。
好奇心の塊みたいな目でこっちを見てくる晴香を放って、あたしはとりあえず席に着いた。
「座った時のスカートの丈も絶妙だわー。篤、どこまで計算してたんだろ」
「どこまで……、って全部でしょ?」