苦く甘い恋をする。
抱きしめる理由
「やっぱり。本人が間違えるくらい、似てるよな」
ほぅっと短く息を吐き出して、長谷川くんは片手で肩を揉んだ。
「ま、遥ちゃんは。おまえと違って、自分のことをあまりにも可愛いとか、いけいゃあしゃあと言わないけどな」
そのまま肩をぐるぐる回しながら、長谷川くんは軽蔑したような瞳を私に向ける。
「おまえ、驚くほど図々しいな」
「……は!?」
「あの場面で、あんなことを口に出来るのは、おまえぐらいのもんだぞ?」