苦く甘い恋をする。
それをいとも簡単に受け止め、長谷川くんは私とスクリーンに映る女の子とを見比べる。


「んー。益々似てるな。おまえさ、軽く整形でもしとくか?」


「はぁ?なんで!?」


「なんでって……。同じ顔は、ふたつもいらねぇだろ?」


「…………」


なんて、横暴な!!


「んじゃ、双子はどうすんのよ!?
三つ子は!? 四つ子は!? 五つ子は!?」


長谷川くんの手の甲に爪を立てると、短い叫び声ののち、長谷川くんは後ろから私を羽交い絞めにした。
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