苦く甘い恋をする。
ジタバタする私を余裕で抱きしめ、長谷川くんはハァーッと長いため息をついた。


「遥ちゃんにも、おまえくらいの凶暴さがあったらなぁ」


「はぁ!?」


「そうすれば……。
あんな悲しい目に合わせることもなかったのに」


「……あの!! 
マジ、ウザいんですけど!!」


「そうそう、それ。
その強気なところがなかったからなぁ、遥ちゃんには」


ハァーッと長く大きなため息をついて、長谷川くんは私の首元に顔を埋めた。
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