苦く甘い恋をする。
「あの、さっきから“遥ちゃん遥ちゃん”
マジ、ウザいんですけど!!
アンタ、その子のことをちゃん付けするなら、私のことも“おまえ”じゃなくて、ちゃんと“美姫ちゃん”って呼びなさいよ!!」


長谷川くんの手の甲を抓り上げると、長谷川くんはその手で私の口を押さえ、耳元で囁いた。


「残念。俺、好きな女しか、ちゃん付けはしないの。
……って、コレ。
前にも言ったよな?」


「○▼:+@?■……」


「今までも、これからも……」


長谷川くんは私の口元から手を離し、スッと体を引いた。


「俺は、遥ちゃんにしか“ちゃん”は、付けないよ」
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