苦く甘い恋をする。
気が付くと私は、自らも長谷川くんを抱き寄せていた。


「……に、すんだよ」


照れ隠しなのか、何なのか、長谷川くんは怒ったような声を出した。


コイツ、もしかしたら、案外子供なのかもしれない。


もしかしたら……。


私と同じなのかもしれない。


コイツが、俺と性格丸被りというように……。


愛に飢えている人間かもしれない。


……と同時に、きっと自分のことが……。
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