苦く甘い恋をする。
嫌いからの卒業
「……遅くなって悪かったな」
会議室の扉を閉め、長谷川くんが照れたような笑みを私に落とす。
「明日の会議が終わったらすぐ、俺、海外出張だし。
もう、いろいろと……我慢できなくてさ」
「……っ。そ……そうだよ!! 早く帰って寝ろとか言ってたクセに。
結局、アンタが私の睡眠を邪魔してるじゃん!!
お……お肌が荒れたら、どうしてくれるの?」
そんな……、全く思ってもいないことを口走ったのは、動揺したから。
だって、コイツ……。
めちゃくちゃ……人懐っこい笑顔を見せるんだもん。